FILM 1/30e No.31996年5月発行
広島フェスティバルについて

Hiroshima 96 広島のちらし

なみきたかし

 さて、広島フェスティバルが近づいた。ラウル・セルベ氏が大会名誉委員長という顔に決まったという。定着した感もあるが、予算も削られ、なによりも上映作品にめぼしいものがなく、それを補うような意欲的な特集などもないので、広島以外からわざわざ参加する人々の興味が薄らいでいくのはしかたがない。
しかし、気軽に世界のアニメーションが見られる得難い機会なのは事実で、もう少し練り上げていったら良い「上映会」になるんじゃないのだろうか。
 以下簡単に思いついた提案を書いて、関係者に提示しておこう。

勝手な提案-1:今までの記録集を作ったらどうなのか!


 大会ごとの報告書のようなものはあるのだが、今までの実績をアピールする内外マスコミ向けのブックレットを作ったらどうか。

勝手な提案-2:日本の作品をもっと取り上げよう!

 舶来物ばかりが優秀だという考えを改めて、日本のアニメーションをちゃんと取り上げたらどうか。英字幕をつけて(あるいはリーフレットなどで)、メインの方の会場でやってほしい。具体的に言えば「わんぱく」等をやれということ。小さい方のホールで添え物という認識で、反戦アニメばかりをやるのは別な趣向だろう。

勝手な提案-3:形の見える運営をする!


 実行委員だのプロジェクト・チームだの大変立派な組織がいくつもあってけっこうだが、話しあった結果が、フェスティバル・ディレクター女史が判断して、というのは何だかわからない。いや、ぼくは嫌いな人が独善的だというのは嫌いじゃない。
 むしろ判らない組織は全廃して、ディレクター独りでなんでも決めました、と明言する方がいいと思うんだ。

勝手な提案-4:質の高い公報活動を!


海外に比べ相変わらず広報が弱い。頻繁なニュースの発送、きれいな大会当日のニュース=ブルティン。それに、インターネットでホームページを開設してほしい。アニドウだってやっているんだから、出来るでしょう。
(と書いた所で、広島フェスのHPがスタートしました。まだ情報は限られていますが、大会中などに同時進行で毎日の出来事を発信してくれることを期待します。)  なによりも基本中の基本、住所録を整備して下さいよ。この前まで「もりやすじ」さんに案内が来ていたけれど。(もり先生の特集をやらないのは認識の低さで笑っていられるけれど、もしかして、亡くなったことも知らないじゃ、もう期待することはありません。  今年のニュース第一号が先日来たけれど、なぜか英語版1枚のみ。あのねえ、ぼくは宣伝に協力しますよ。だから、何100枚でも送ってくださいよ。アニドウはASIFA-JAPANの数十倍も大きな組織だという認識がまるでないのかなあ、広島の事務局の人には。  それとも、記者会見の情報なども「他に漏れないような広報」をしているのは、宣伝しないでくれということなのか。
 そんなところなんですかいのう。はぶてる(すねる)よ、わしゃあ。
 ああ、それからアヌシーなんかで酒樽パーティやるのは効果がないので、その予算で1号でも多くきれいなニュースを出して下さい。(これは呼んでくれないのでひがんでいるのです、久保さん。どうも僕が行くとまずいらしい。)

勝手な提案-5:通年の公報活動を!各フェスティバルへ参加して!

 そんなアヌシーだけでなく、ザグレブやカーディフなどへも広報部隊を送った方が良いと思います。ちゃんと通年関わっているスタッフを派遣するのは無論です。なにしろ、個人の顔で勝負しなくてはいけません。役所には難しいことですが。ディレクターまかせではいけません。

勝手な提案-6:世界へ見せる企画を考えよう!

 今日本はこうなんだ、という企画がないのは海外からの興味をひくことは難しいでしょう。せっかく日本のアニメーションが注目されているのに、日本人が蔑視してはいけませんなあ。
 「もりやすじ」特集をやるような英断(?)はないにしても、「ナディア」や「エヴァンゲリオン」のスタッフを招いてレクチャーをなぜやらないのか?「ガメラ」でもいいかなあ。英文で広報すれば面白いのに。また、海外ばかり協力しているように見えてしまう、高畑・宮崎さんなどの特集ないのは、なぜ、ないのかという疑問を世界中からもたれるに違いありません。
 そりゃあ、内心馬鹿にしているものに急に擦り寄っていくから、審査員も断わられるんだけれど....。

勝手な提案-7:ワゴンの利用料を安く!


 物販のワゴンのショバ代が25万というのは、高い!協賛金ですよ、とうそぶかないで、もっとアニメファンが多く出せるようにした方がにぎやかになるのでは。
.......以上、羅列しましたが、広島については愛するあまり次回もケチをつけます。なお、ぼくは当然全日参加する予定ですので、関係者の方々は接待して下さい。庶民的な「お好み村」や高い「八雲」じゃなくて、中流のマリオ・チェーンでけっこうですから。


C.ジョーンズ氏がア賞特別名誉賞を受賞

Chuck Jones Photo by T.Namiki

すでにご存じのように、ア賞アニメ部門はニック・パークの「ア・クロース・シェイブ」だが、これは日本ではシネ・カノンから配給されるという。 特別名誉賞が「トイ・ストーリー」のジョン・ラセッターと、チャックジョーンズ氏にそれぞれ贈られた。(早くジョーンズ氏の伝記を出さなくては!)  プレゼンターは実写でポパイも演じたロビン・ウィリアムスで、「私はチャック・ジョーンズ中毒です!」と宣言して、ブキャナンなど現在の大統領予備選の政治家をワーナーのキャラクターに模した声色を披露して満場を湧かせてからジョーンズを紹介した。

チャック・ジョーンズ氏の受賞の言葉

「(彼の作品を再編集したクリップを上映した後で)あんな作品を見たあとでは、何も言えませんが、私はこの60年間で、300編以上のアニメ作品を作ってきました。皆さん、その罪をお許しください。
1931年、大不況のさなか学校を卒業したら、清掃員でもして働くつもりでいました。ところが、予測もしなかった奇跡が起こり、今でも信じられないほどです。お金をもらって、絵が描けるのです。奇跡は今も続き、楽しめる仕事に十分すぎるほどの報酬がもらえるのです。まさに奇跡です。
詩人フロストが、"2つの目が1つの像を結ぶ"と説いたように、私の目標は趣味と仕事を結合させることです。
この素晴らしい賞に感謝します。マリアンとリンダもありがとう。そして作品を見てくれた皆さんにお礼を言います。


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