杉本五郎 Sugimoto Goro


Mr.Sugimoto  本名、露木三郎。1924年東京初台生まれ。荒川区尾久での幼年時代から映画ファンと なり、特に漫画映画に魅せられ、フィルム・コレクションをはじめる。
東京大空襲や火災などで幾度も危機に遇いながら、常に日本一の映画コレクションを 保持し続ける。
 映画全般の研究の傍ら、漫画家としても一時活躍し、後年には自主アニメなども制作した。美術大学、デザイナー学院などの講師、テレビ出演などでアニメーションの普及に努めた。アニドウ創立時からの顧問として、アニドウの活動に常に協力した。1987年6月病没。
著書:「映画をあつめて」(平凡社)。

杉本さんを惜しむ  なみきたかし
1987年3月13日の朝、世界でも有数のフィルム収集家杉本五郎さんが再生不良性貧血の治療中に亡くなった。
享年63才であった。その総数五千本以上と思われる16mmフィルム収集は、記録映画、劇映画、日本、海外、B級SFなどあらゆる分野にわたるが、特にアニメーションの分野においては他の追随を全く許さないものであった。
その膨大なフィルム・ コレクションで、我々にこの20年間最大の援助を授けてくれた杉本さんだが氏自身が我々にとってより貴重な存在であったという実感がする。氏の映画全般についての知識、紬かくは映写機器の発達など映画をささえるあらゆるファクターについての経験をふまえた歴 史的な考察は余人をもって換えられない知識であった。そして、そのユニークな人柄……、 現実的な指摘、自虐的な冗談、貴重なフィルムを手に入れた時の興奮、くだらないが愛す べき珍品を手に入れた時の笑顔などなど杉本さんとの話し合いの思い出が今でも蘇ってくる.衣食住に金を掛けず、酒もたばこもギャンブルもやらず、実に細かいことまでメモを 残していた一見超現実的な生き方.しかし、それはみなフィルム収集の一点にのみ人生の 全てを掛けたあまりにもロマンチックな生き方であった.昭和46年に自宅の火事で約二万本といわれる収集のほとんどを焼失した時には僕らは驚き、取り返しのつかないことが起ったと感じたものだった。
 だが氏のコレクションは不死鳥のように見事に再建され、さらに200回以上の上映会を私たちに開かせてくれた.氏の執念があれば何度でもコレクションは再建できただろう. だが…….
願わくば天国で焼失してしまった貴重なフィルムを収集されんことを!僕がそのうち見に行きますから.


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